辞書の基礎知識

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辞書には投資を

「辞書はお金で買える実力」といいます。いい翻訳者になるためには、いい辞書を買い揃えることが必要です。また言葉は刻々と変わっていきます。もったいないようですが、順次最新版に買い換えていくこともやむを得ません。ただし、やたらと数を集めればいいというわけではなく、使い方も重要です。辞書は安いものではありません。せっかくお金を出すのなら上質の、使い勝手のいい辞書を、上手に買いたいもの。このサイトがそのお役に立てれれば幸いです。


辞書の種類と形態

翻訳に使う辞書や資料にはいろいろな種類と形態があります。

【種類】翻訳の仕事をするには英和/和英辞書・国語辞典・専門用語辞書・百科事典・用字用語辞典などが必要です。次ページ以降では、イマドキのプロの翻訳者に人気のある辞書を紹介していきます。

【形態】辞書には従来からある紙のものにくわえて携帯用電子辞書、電子ブック、CD-ROMなどさまざまな形があります。現在、翻訳者の間でもっともポピュラーなのは、パソコンのハードディスクに格納して使うCD-ROMです。以下に各形態の特徴を記します。
★CD-ROM
[メリット] 速く引ける。原稿作成と同じ画面で引けるので視線と手の移動が少なく疲れない。引いた結果を原稿にコピー&ペーストできる。複合検索など複雑な検索ができる。英和辞書でも和英として使える。一回の入力で複数の辞書を引くことができる(串刺し検索)。
[デメリット] ある程度PCのHDD容量が必要(1タイトル500MB前後)。紙・携帯用電子辞書よりは高価である(内容・使い勝手に照らせば十分安いが)。
★携帯用電子辞書
[メリット] 重量が軽い。スイッチを入れたらすぐ使える。電池のもちが良い。CD-ROMを揃えるより安価。
[デメリット] 辞書の組み合わせが限られている。新しい辞書が出ても中身を部分的に入れ替えることはできない。画面やボタンが小さく、長時間PCと併用すると疲労する(※最近はSIIのPASORAMAシリーズのようにPCにUSBケーブルでつなげるタイプも登場している→残念ながらSIIは電子辞書事業から撤退してしまった。基本的に入手は不可能になったが、たまにデッドストックが市場に出回ることがある。)
★紙
[メリット]もっとも安価。手書きでメモが書きこめる。
[デメリット] 引くのに時間がかかる(探している語句が見つかるまでが大変)。持ち歩くには重い。
★オンライン辞書
[メリット] 最新の情報にアップデートされる。
[デメリット] ネット環境がないと使えない。一部には情報の出典がはっきりしないものがある。
★スマートフォン用アプリ
[メリット] 普段使用しているスマートフォンに簡単に導入できる。
[デメリット] 操作性が悪い。他の辞書タイトルとの連携が難しい。
★電子ブック(データディスクマン)
[メリット] 徐々に中身が書い足せる。新しいタイトルが出たら中身だけ買い換えれば良い。ケースから出してパソコンに入れれば、CD-ROMと同じように使える(機能制限あり)。
[デメリット] 携帯用電子辞書に比べると重い。動作が遅い。電池がすぐになくなる。90年代以降タイトルの新発売がほとんどなく、過去のものになりつつある。


数年前までは自宅で作業をすることが多い人はCD-ROMをデスクトップに格納し、外出が多い人は携帯用電子辞書や電子ブックを使うことがよくありました。しかし軽量で安価なノートパソコンがたくさん出てきた現在では、必ずしもこの通りではなくなりました。ハードディスクの大きなノートパソコンや高速通信回線があれば、外出先でも家とまったく同じように作業ができるのです。


代表的な辞書ブラウザ
[追記:2017-02-26]この数年、CD-ROM辞書を取り巻く環境がだいぶ変わったのですが、このエントリーをなかなか最新にすることができずにいます。EPWING辞書に興味を持たれた方は、「ビジネス技術実用英語大辞典」[リンク]を制作されている海野和子さんによる「EPWING電子辞書/事典/書籍を閲覧するためのEPWING閲覧ソフトの使い方(Win,Mac,iOS,Android...)」[リンク]をぜひご参照ください。

また翻訳フォーラムでは定期的に辞書や辞書ブラウザに関するセミナーやイベントを行っています。イベント情報はfhonyaku.jpをご覧ください。

★基礎知識
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[必読]英語辞書マイスターへの道

[まず揃えたいもの:文法・読解] [その他:書籍] [★特集コーナー★]


 
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今までに、辞書の引き方、使い方を真剣に学んだことはあるだろうか。なんとなく引いてきてはいないだろうか。そして、なんだか思うような結果が出ないために、次々と新しい辞書、大型の辞書を買い足して、結局使いこなせていなかったりしないだろうか。

辞書は数を揃えればいいものではない。使い方が重要だ。この本を一通り読み、掲載されている練習問題(と言っても大変気軽な題材が多いので心配無用)をやれば、手持ちの辞書が隅々まで活用できるようになるはずだ。新しい辞書を増やすのは、それからでいい。

これから翻訳学習を始める人はもちろん、プロも一通り読んで自分のやり方と比べてみることをお勧めする。案外、「宝の持ち腐れ」であることが判明するかもしれない。

今まで、関山先生の著書「辞書からはじめる英語学習」[リンク]を長くお勧めしてきたが、今ならアプリやウェブなどの最新情報も掲載されたこちらから読むのが良いかもしれない。

なお、本書巻末に紹介されている、関山先生制作の小冊子「英語・日本語(国語)辞書へのアプローチ」(PDF)のダウンロード先が変更になっている。最新のURLはこちら[リンク]。辞書マニアも驚くすばらしい内容なので、ぜひDLをおすすめする。(DLには書籍に掲載されているパスワードが必要)

※関山先生は2017年11月29日に東京・市ヶ谷で開催される「第27回JTF翻訳祭」に登壇され、辞書の話をなさいます。JTF会員以外でも、プロでも学習者でも参加できますので、ぜひ。
「翻訳者のための辞書環境構築入門 ―翻訳生活は辞書に始まり、辞書に終わる―」[リンク]

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