タイトル | 媒体 | 出版社 | 著者 | 発行年 | 収録語数 | 価格 | 詳細 (画像をクリック) | |||||
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★一般常識 | ||||||||||||
アメリカ英語背景辞典 | 書籍 | 小学館 | 渋谷 彰久 | 1994 | \2,037 | |||||||
古い本だが、今まで掲載し損ねていたので改めてご紹介。翻訳には知識・常識が必須なのは周知の事実。この本には、アメリカについて知っておくべき事が山ほど書かれている。特に素晴らしいのは、「何誌の何年何月号」「いついつの誰のスピーチ」等すべての表現・引用句・用語に出典がついていること。ネットを検索すれば見つかる情報も多いが、信憑性の上ではこのような本に勝るものはない。併記の日本語訳もこなれていて素晴らしい。 | ||||||||||||
大学生になったら洋書を読もう―楽しみながら英語力アップ! | 書籍 | アルク | アルク企画開発部/水野邦太郎 | 2010 | \1,470 | |||||||
洋書がすらすら読めれば、世界が広がる。わかってはいるけれど、なかなかおっくうなもの。洋書を読み通したことがない人、腰が引けている人にぜひ読んで欲しい本。本の選び方、読み方、お勧め本リストなど情報たっぷりで、早速洋書売り場に出かけたくなる。 | ||||||||||||
神話と伝説バイブル | 書籍 | 産調出版 | サラ・バートレット(訳:大田直子/猪原えり子) | 2009 | \2520 | |||||||
文芸、映像分野を初め、さまざまな翻訳者が悩まされることの多い、世界各国の神話や伝説。この本は地域別ならびに神話のテーマ別に、世界中のあらゆる神と神話を網羅。調べ物のとっかかりとして使うのに最適の本と言える。巻末の索引もしっかりしているし、原書"The Mythology Bible: Everything You Wanted to Know About Mythology"(Sarah Bartlett, Godsfield Press, 2009)と併用するのもいいだろう。 | ||||||||||||
これを英語で言えますか? デラックス | 書籍 | 講談社インターナショナル | 講談社インターナショナル編 | 2008 | \1,260 | |||||||
ト音記号に八分音符、四捨五入に九九、鞍馬・吊り輪・跳馬、敷金・礼金・水道光熱費・・・普通の言葉なのに、いざ英語で言うとなったらひるみませんか。ベストセラー「これを英語で言えますか」「続これを~」の抜粋に、新語を加えた改訂増補版。 | ||||||||||||
雑学1,000問講座―翻訳家をめざすなら80点! | 書籍 | 語学春秋社 | 岡枝慎二 | 1992 | \1,529 | |||||||
世の中の常識を知らなかったばかりに誤訳してしまった…そんな経験はありませんか。翻訳者として必ず知っておきたい「一般常識」「雑学」がたっぷり詰まった一冊。古い本ではあるけれど、内容は今でも十分通用するので、古書店やユーズドで見かけたら迷わず購入したい。故・岡枝慎二先生(「スター・ウォーズ」「プラトーン」「ブレードランナー」etc.)がバベル翻訳外語学院で行っていらした「Take 10」(常識ミニクイズ)が懐かしい方にも、そうでない方にもオススメ。 [Update: 2008/12/18] | ||||||||||||
名画の言い分 | 書籍 | 集英社 | 木村泰司 | 2007 | \2,400 | |||||||
日本で唯一の「エンターテーナー&西洋美術史家」による、一般読者向けの西洋美術解説書。「美術は見るものではなく、読むものです」「作品に内在するメッセージや意図を読み解くためには、その時代の歴史、政治、宗教観、思想、社会背景など、膨大な量の知識が必要となります」と主張する著者による本書は、翻訳者に必須の「西洋文化と芸術の知識」を手軽に獲得するのに役立つ。副題「数百年の時を超えて、今、解き明かされる『秘められたメッセージ』」。 | ||||||||||||
★聖書関連 | ||||||||||||
なんでもわかるキリスト教大事典 [★特集コーナー★] [★特集コーナー★:基礎II (6)] | 書籍 | 朝日新聞出版 | 八木谷涼子 | 2012 | \998 | |||||||
翻訳者必携にも関わらず絶版になっていた「知って役立つキリスト教大研究」が増補の上復活!今までなんとなく知っていたことも、全然知らなかったことも、この一冊で押さえよう。旧版(「知って役立つキリスト教大研究」)の説明もご覧ください。[リンク]。 [Update:14/01/16] Kindle版が出ました!お値段も安くて嬉しい限り。[リンク] [Update:14/01/20] Kindle版はPaperwhiteでは内容の検索ができるけれどiPad/iPhoneではできない、PWではピンチアウト(拡大)ができずiPhoneでは可など、いろいろ仕様が違うようです。購入経験者の声を作者の八木谷さんがまとめてくださっているので、ご覧ください。[リンク] [Update:14/01/21] 著者の八木谷さんから情報をいただきました。「なんでもわかるキリスト教大事典」の修正・追加情報がこちらにあるそうです。[リンク] 八木谷さん、ありがとうございました。 | ||||||||||||
知って役立つキリスト教大研究 | 新潮社 | 八木谷凉子 | 2001 | ¥870 | ||||||||
こんな本を待っていた!キリスト教の主要教派のしきたりや式典、用語の違いを中立的な立場から説明。翻訳者のためのメモも、豊富なイラストも、翻訳者・イラストレーターの八木谷さんが書いた本だから。日本語版「ダ・ヴィンチ・コード」のあとがきで参考図書として推薦されてもいる。 [Update:11/02/09] [Update:12/04/06] (注:この商品は旧版です。最新版はこちら[LINK]) | ||||||||||||
手塚治虫の旧約聖書物語(1)天地創造 | 集英社 | 手塚治虫 | 1999 | ¥880 | ||||||||
手塚治虫の旧約聖書物語(2)十戒 | 集英社 | 手塚治虫 | 1999 | ¥880 | ||||||||
手塚治虫の旧約聖書物語(3)イエスの誕生 | 集英社 | 手塚治虫 | 1999 | ¥880 | ||||||||
BS日テレで放映されたアニメーションの書籍化。美しい。文庫化されて値段が手頃になったのも嬉しい。 | ||||||||||||
A Child's Bible | Paulist Pr | Anne Edwards et al | 1987 | $16.95→¥ 1,764(15%引) | ||||||||
新約・旧約から有名エピソードをピックアップした、フルカラーの絵本。子供向けだけあって用語も簡単。 | ||||||||||||
マンガ聖書物語 新約篇 | 講談社 | 樋口雅一・山口昇 | 1998 | ¥819 | ||||||||
「新約聖書を知っていますか」 (阿刀田高/¥500)とあわせて読むのがオススメ。 [Update:06/07/25] | ||||||||||||
マンガ聖書物語 旧約篇 | 講談社 | 樋口雅一・山口昇 | 1998 | ¥1,260 | ||||||||
とりあえず聖書に触れてみるには最適な本。「旧約聖書を知っていますか」 (阿刀田高/¥540)とあわせて読むのがオススメ。 [Update:06/07/25] | ||||||||||||
旧約聖書を知っていますか | 新潮社 | 阿刀田 高 | 1994 | ¥540 | ||||||||
ミステリ作家阿刀田高さんによる初心者のための聖書解説書。「マンガ聖書物語」でストーリーを追いつつ、この本で「裏話」を読むというのはどうだろう。「新約聖書を知っていますか」(¥500)もある。 [Update:06/07/03] | ||||||||||||
★英語ライティング参考書 | ||||||||||||
ビジネス英語ライティング・ルールズ [★特集コーナー★] | 書籍 | 日本経済新聞出版社 | 森田修/マルコム・ヘンドリックス | 2016 | \920 | |||||||
現在入手可能な日本語書籍の中で、もっとも多く句読法にページを割いている本。手頃な価格、サイズ、読みやすい文章なので、手元に置いて頻繁に参照したい。文法の章も、必要最低限を押さえていて有用。従来お勧めしていた「赤い本」の代わりに、ぜひ。
その他の参考書籍、英語で書かれた句読法関連資料については、こちらを。 [リンク] | ||||||||||||
The New York Times Manual of Style and Usage, 5th Edition | 書籍 | Three Rivers Press | Allan M. Siegal, William Connolly | 2015 | \1,998 | |||||||
The Official Style Guide Used by the Writers and Editors of the World's Most Authoritative Newspaper. タイトルがそのまま語るとおり、アメリカでもっとも権威ある新聞の「用字用語集」。怪しいスペルや前置詞の用法を調べたり、固有名詞か否か、差別用語かどうかを確認したりと、モノカキが頼りにする一冊である。 13年ぶりの改訂で、インターネットで使われるさまざまな表記にも対応。
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英語のお手本――そのままマネしたい『敬語』集 | 書籍 | 朝日新聞出版 | マヤ・バーダマン (著), ジェームス・M・バーダマン(監修) | 2015 | \1404 | |||||||
英語には敬語がないとか、外国人に対してはカジュアルなコミュニケーションが適切であるとか、おかしな誤解が広まっているが、英語にだって丁寧な物言いはある。上司に対して、客人に対して、子どもに対するような言い方をしては失礼になるし不評を買う。お願いごとをするのに威張っているような印象を与えては、通るものも通らない。
外資系企業に勤めた著者が、実体験で学んだという丁寧な言い方は、英語に関係する人なら誰でも知っておくべきである。日英翻訳はやらないからと英語ライティングや英会話本に興味を示さない向きもあるが、英日翻訳者だって訳している英文に出てくる言い回しがぞんざいなのか、丁寧なのかを見極めて、それらしく日本語に訳すことも必要だ。 「知的な英語、好かれる英語」[リンク]と共に、お勧め。 | ||||||||||||
The Chicago Manual of Style (16th Ed) | 書籍 | Univ of Chicago Pr | University of Chicago Press Staff | 2010 | \5,702 | |||||||
数あるスタイルマニュアルのなかでももっともポピュラーな一冊。あらゆる文章において「形」は大切だ。引用で終わる文章のピリオドはクオーテーションマークの中か外か、脚注はどこにどのようにつけるのが正しいのか、校正記号はどのように入れるのか……学生からプロまでがこの本を参照している。2006年に発行された第15版は20年ぶりに出た新版で、デジタル時代を反映し、大幅な改定が行われたが、今回はさらにデジタル対応を強化。UnicodeやXMLも取り上げた。 [Update:10/12/20] | ||||||||||||
MLA Handbook for Writers of Research Papers (6th Ed) | Modern Language Assn of America | Joseph Gibaldi | 2009 | ¥1,901 | ||||||||
MLA方式で論文を書くためのガイドブック。1977年の初版以来300万人以上が愛用している。 [Update:12/04/10] | ||||||||||||
これを英語で言えますか? デラックス | 書籍 | 講談社インターナショナル | 講談社インターナショナル編 | 2008 | \1,260 | |||||||
ト音記号に八分音符、四捨五入に九九、鞍馬・吊り輪・跳馬、敷金・礼金・水道光熱費・・・普通の言葉なのに、いざ英語で言うとなったらひるみませんか。ベストセラー「これを英語で言えますか」「続これを~」の抜粋に、新語を加えた改訂増補版。 | ||||||||||||
英語「なるほど!」ライティング―通じる英文への15ステップ | 書籍 | 講談社インターナショナル | 遠田和子/岩淵デボラ | 2007 | \1680 | |||||||
和文英訳は、ただ日本語の言葉を英語に置き換えれば済むわけではない。日本語の原文の持つ真意を酌み取り、英語の読み手が自然に受け入れられる表現に変えなければいけない。本書では「3Cs」すなわちClear, Concrete, そしてConfidentな文章になるための工夫が多数紹介されており、導入するだけで非常に見栄えがする(=読み手に理解されやすい)文章が書けるようになるだろう。例文は平易で、レイアウトもゆとりがあり、ブルー系の3色刷も目に優しい。(アマゾンで「なか見検索」可) | ||||||||||||
パックンの中吊り英作文 | 書籍 | 朝日出版社 | パトリック・ハーラン | 2006 | ¥ 1,029 | |||||||
いかにも日本語らしい文章(しかも時事ネタ)を英訳するのはとても大変。しかし最終的に「英語を読む人に訴えかける文章」を書くのがなにより大事なのだということが、この本を読むととても良くわかる。「英語でしゃべらナイト」でもおなじみ、パックン・マックンのパックンによる、楽しくてまじめな本。 | ||||||||||||
英語パラグラフ・ライティング講座 | 研究社 | ケリー伊藤 | 2002 | ¥1,575 | ||||||||
英語ネイティブの人たちはどういう考え方で英文を書いているかわかれば、翻訳する際に大変役立つ。本書は「プレイン・イングリッシュ」を日本で普及させてきた著者による、いわばワークブック的著作。まず「書きたいことが書けるライティング術」(別エントリー参照)で理論を学び、さらに本書で実践してみるとよりよく身につくだろう。 [Update:06/10/20] | ||||||||||||
The Elements of Style | Longman Pub Gr | William Strunk Jr. and E. B. White | 2000 | ¥1,218 | ||||||||
アメリカで文章作法の本と言えばまず名前が挙がるのがこれ。薄い本ながら簡潔でわかりやすい文章を書くためのアドバイスが満載で、何十年もの間改版を続けながら愛用されてきたのもうなずける。 なお、Elements of Styleには William Strunk Jr.単独名義の古い版(1920年刊)と、E.B.Whiteが大幅に加筆修正したStrunk and White名義の新しい版(初版1959年)があり、現在使われているのは後者。前者が無料配布または廉価販売されていることもあるが、別の作品なので注意。 [Update: 2015/08/14] | ||||||||||||
書きたいことが書けるライティング術 | 研究社出版 | ケリー伊藤 | 1999 | ¥1,260 | ||||||||
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★インターネット検索 | ||||||||||||
日本語コーパス活用入門: NINJAL-LWP実践ガイド | 書籍 | 大修館書店 | 赤瀬川史朗, プラシャント・パルデシ, 今井新悟 | 2016 | \2592 | |||||||
翻訳者の間でも利用する人が増えてきた日本語コーパス。中でも「少納言/中納言」や「NINJAL-LWP(NLP)」を使って「現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)」を検索することが多い。しかし「何となく」「手探りで」「適当に」使っているケースもままある。 本書はNLPの開発に携わった方たちが書いたもので、コーパスの仕組みや語彙の収集・分析方法に始まり、NLPの詳細な使い方、「基本動詞ハンドブック」の機能、日本語ウェブコーパス「筑波ウェブコーパス」(TWC)を検索するためのツール「NINJAL-LWP for TWC(NLT)」などを詳しく紹介している。また、コーパスの仕組みの説明は、常に言葉のことを考えている翻訳者の胸を躍らせるものがある。 いいツールもいい加減に使ったのでは魅力が存分に引き出せない。この本、そして「ライフサイエンス辞書英語共起表現検索の活用法1概略編」に一通り目を通すと、コーパスの使い方が格段に上手になるだろう。 | ||||||||||||
★翻訳作法 | ||||||||||||
翻訳地獄へようこそ | 書籍 | アルク | 宮脇孝雄 | 2018 | \1728 | |||||||
『翻訳の基本―原文通りに日本語に』、『「続・翻訳の基本―素直な訳文の作り方』(いずれも研究社)でお馴染み、宮脇孝雄さんの最新作。軽いエッセイ風なのでサラッと読めるが、実に奥深い本。翻訳フォーラム幹事の共著『翻訳のレッスン』にも通じるところが多く、管理人は頷きすぎて首が千切れそうになった。 Kindle版(1,469円)もある。 | ||||||||||||
できる翻訳者になるために プロフェッショナル4人が本気で教える 『翻訳のレッスン』 | 書籍 | 講談社 | 高橋さきの, 深井裕美子, 井口耕二, 高橋聡 | 2016 | \1,836 | |||||||
機械翻訳やクラウドソーシングの台頭で、翻訳者を取り巻く環境は年々厳しくなってきています。そんななかでプロとして生き残っていくためには実力をつけるしかありません。IT、出版、特許、エンターテインメントとまったく違う分野を専門としていながら「翻訳とは原文を読んだ読者が思い浮かべる絵と訳文を読んだ読者が思い浮かべる絵を同じにする作業である」という点では意見を同じくしている4人が、長年の翻訳経験と翻訳フォーラムでの活動から得たさまざまな知識や技術を次の世代に遺し、実力をつけてもらおうと、この本を作りました。これから学習を始める方、自己流で来てしまったプロの方、言葉に興味のある方…さまざまな方にお楽しみいただけるようにしたつもりです。 著者4人の講演・執筆活動については「翻訳フォーラムからのお知らせ」サイト (fhonyaku.jp)をご覧ください。 | ||||||||||||
英語のお手本――そのままマネしたい『敬語』集 | 書籍 | 朝日新聞出版 | マヤ・バーダマン (著), ジェームス・M・バーダマン(監修) | 2015 | \1404 | |||||||
英語には敬語がないとか、外国人に対してはカジュアルなコミュニケーションが適切であるとか、おかしな誤解が広まっているが、英語にだって丁寧な物言いはある。上司に対して、客人に対して、子どもに対するような言い方をしては失礼になるし不評を買う。お願いごとをするのに威張っているような印象を与えては、通るものも通らない。
外資系企業に勤めた著者が、実体験で学んだという丁寧な言い方は、英語に関係する人なら誰でも知っておくべきである。日英翻訳はやらないからと英語ライティングや英会話本に興味を示さない向きもあるが、英日翻訳者だって訳している英文に出てくる言い回しがぞんざいなのか、丁寧なのかを見極めて、それらしく日本語に訳すことも必要だ。 「知的な英語、好かれる英語」[リンク]と共に、お勧め。 | ||||||||||||
学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方 | 書籍 | 角川学芸出版 | サンキュータツオ | 2013 | \1,404 | |||||||
何かというと人は「『広辞苑』によると~」と言うけれど、なぜ広辞苑なのか。他にも国語辞典は各社いろいろ出しているのに。そして、何かというと広辞苑を引くのは、果たしていいことなのか。他の辞書のほうが向いているケースもあるのでは?そんな疑問に答えてくれる本。 早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文化専攻博士後期課程修了という珍しい経歴を持つの辞書ヲタクの芸人さんが、楽しく、かつ鋭い観点で各辞書を解説しています。一冊目の辞書、二冊目の辞書の選び方。読むための辞書、書くための辞書(つまり日英翻訳のための辞書、英日翻訳のための辞書)の違い。読み物としても楽しいのでオススメです。
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翻訳教室(文庫版) | 書籍 | 朝日新聞出版 | 柴田元幸 | 2013 | ¥1,050 | |||||||
大人気の書籍が文庫化。このクラスの生徒になったつもりで自分も訳し、ディスカッションに参加したつもりで読むのがお勧め。 <ハードカバー版(新書館/2006)の説明> 柴田元幸氏が東京大学文学部で行った翻訳の授業を採録・編集した本。実在する小説を題材に、学生訳と講師訳が詳細に比較検討されており、とにかく面白い。文章を正確に読み、正確に日本語にする方法(語単位、文単位だけでなく、もっと広い目でも)がとてもよくわかる。ゲストに村上春樹氏、J・ルービン氏。こんな授業ならぜひ受けてみたい。 [Update:2013/04/16] | ||||||||||||
中学生からの作文技術 | 書籍 | 朝日新聞出版 | 本多勝一 | 2004 | \1,200 | |||||||
以前から翻訳者必読と言われている日本語作法本に「日本語の作文技術」(朝日文庫・本多勝一著(1982))があるが、本書はそのうち語順、句読点の打ち方、助詞の使い方など、最低限習得すればいい部分を抽出したビギナー版。誤解されにくい、明確な日本語を書きたい人にオススメ。 | ||||||||||||
翻訳の基本―原文通りに日本語に | 書籍 | 研究社 | 宮脇孝雄 | 2000 | \1,785 | |||||||
翻訳の際には「原文に書いてあることを書く」「書いてないことは書かない」のが肝要なのだが、やってみるとこれが実は難しい。ではどうしたらいいかを、豊富な実例とユーモアたっぷりな筆致で優しく説いてくれているのがこの本。元が週刊STでの連載だけに、各項目も短く、電車1駅で1本ずつ読める。これから翻訳の勉強を始めようという方にも面白いだろうが、「足さない・減らさない・動かさない」という言葉を耳にたこができるくらい聞いた人たちには、さらに響くはず。[Kindle版]もある。
同じ著者の本・辞典: 1)続編『続・翻訳の基本―素直な訳文の作り方』(2010)[紙版」 [Kindle版」 2)『英和翻訳基本辞典』(2012)[リンク] 見出しが越前敏弥さんの肝いりでテキスト化され、大久保克彦さん(「EPWINGジェダイ」)によってEPWING化されていて、他の辞書と串刺し検索ができる。 ・越前敏弥「『英和翻訳基本辞典』インデックス」[リンク] ・Project Zephyr「宮脇孝雄『英和翻訳基本辞典』のEPWING(化)」[リンク] 3)『翻訳地獄へようこそ』(2018)[リンク] | ||||||||||||
[出版翻訳]ミステリ翻訳入門 | 田口俊樹 | 2002 | ¥1,800 | |||||||||
人気ミステリ翻訳者による本。「翻訳レッスンシリーズ」の1冊ではあるが、単なる教則本や実習本とは違い、出版翻訳者になったきっかけ、翻訳者の生活、翻訳についての考え方など読み物としての楽しみも多い。短い文章から短編まるごとまで、原文を添えた訳と解説があるのも勉強になる(はず。ワタシは読み物の部分だけで十分めちゃめちゃ楽しかったので、まだ実習部分はやっていない(^^;))。 | ||||||||||||
[メディア翻訳]映像翻訳入門 | 佐藤一公ほか | 2003 | ¥2,500 | |||||||||
人気翻訳者による映像翻訳最前線。菊池浩司、岩本令、林完治、岡田莊平、徐賀世子、杉田朋子という執筆陣の豪華さのみならず、取り上げている作品の新鮮さも魅力。昔話だけでなく最先端の作業の様子もよくわかる。大ベテランである佐藤氏が進歩への努力を日々怠っていらっしゃらないところに何よりも感銘を受けた。 | ||||||||||||
★日本語 | ||||||||||||
使える! 国語辞書: 日本語教師読本 4 [★特集コーナー★] | Kindle本 | webjapanese | ながさわ | 2020 | \650 | |||||||
日本語教育の観点から、国語辞書について述べた本。国語辞書に何を期待できて、何を期待できないか、辞書のどこに着目するか、デジタル辞書はどう使うか、等の他、主要辞書の特徴が詳しく書いてある。とりわけ翻訳者に有用なのは「受信用」「発信用」という概念。日英・英日の作業においては、日本語を読むための辞書と書くための辞書がそれぞれ必要であるはずで、この本を読むともやもやがすっきりする。 | ||||||||||||
新版日本語学の常識 [★特集コーナー★] | 書籍 | 数学教育研究会 | 数学教育研究会「国語教室」/鈴木康之 (監修) | 2005 | \2469 | |||||||
翻訳の勉強というと英語ばかりに力が入りがちだが、きちんと母語を頭のなかで整理し、理屈を理解しておくことも大切で、そのために大変役に立つのがこの本。なんとなくぼんやりわかっているつもりになっていたことが、きっちり整理されていく気持ちよさ。例文に使われている作品も美しい。「テンスとアスペクト」についても、わかりやすく説明されている。 (オンデマンド出版であるため、在庫切れになっていても、注文すれば比較的すぐに送られてくる) 他に「24週日本語文法ツアー」(益岡隆志/くろしお出版)[リンク]や「日本語リテラシー」(滝浦真人/放送大学)[リンク]もおすすめ。 | ||||||||||||
悪文 伝わる文章の作法 | 書籍 | 角川ソフィア文庫 | 岩淵悦太郎(編著) | 2016 | \864 | |||||||
翻訳フォーラムシンポジウムや高橋さきのさんの講演で再三取り上げられているあのロングセラーが文庫に! 以前の「悪文 第3版」 [リンク]よりお手頃。特に「悪文をさけるための五十か条」は必読。 | ||||||||||||
日本語コーパス活用入門: NINJAL-LWP実践ガイド | 書籍 | 大修館書店 | 赤瀬川史朗, プラシャント・パルデシ, 今井新悟 | 2016 | \2592 | |||||||
翻訳者の間でも利用する人が増えてきた日本語コーパス。中でも「少納言/中納言」や「NINJAL-LWP(NLP)」を使って「現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)」を検索することが多い。しかし「何となく」「手探りで」「適当に」使っているケースもままある。 本書はNLPの開発に携わった方たちが書いたもので、コーパスの仕組みや語彙の収集・分析方法に始まり、NLPの詳細な使い方、「基本動詞ハンドブック」の機能、日本語ウェブコーパス「筑波ウェブコーパス」(TWC)を検索するためのツール「NINJAL-LWP for TWC(NLT)」などを詳しく紹介している。また、コーパスの仕組みの説明は、常に言葉のことを考えている翻訳者の胸を躍らせるものがある。 いいツールもいい加減に使ったのでは魅力が存分に引き出せない。この本、そして「ライフサイエンス辞書英語共起表現検索の活用法1概略編」に一通り目を通すと、コーパスの使い方が格段に上手になるだろう。 | ||||||||||||
みちこさん英語をやりなおす (am・is・areでつまずいたあなたへ) | 書籍 | ミシマ社 | 益田ミリ | 2014 | \1620 | |||||||
当たり前すぎて、すーっと覚えてきてしまった事柄を、あらためて「なぜ」そうなっているか考えなおすために良い本。取り上げられているのは初歩の初歩で、品詞の違いや冠詞、単複などだけだが、だからこそあらためて考える価値がある。主人公は英語を習いながら、同時に日本語の整理もしていく。おろそかになりがちな日本語の勉強も、こうやってしていくと良いんだなとわかる。レビューには、同じことの繰り返しでつまらないと書いている向きもあるが、語学学習なんてそんなもの。習って、使って、少し変えて使って、覚えて、また習って…。そういうことを思い出させてくれる作品でもある。巷にあふれる「やり直し英語本」とは一線を画す本。 ああ面白かった。何度でも読み返している。続編、希望! | ||||||||||||
文章添削の教科書 | 書籍 | 芸術新聞社 | 渡辺知明 | 2015 | \1944 | |||||||
文章を添削するためには、文章と真剣に向き合わなくてはならない。なぜその「、」がそこにあってはいけなくて、どこにあるべきかを、理屈で説明できなければ添削はできない。記号、文の構造、文体、論理…さまざまな側面から文章をしっかり読む、理解する、そして書くために役立つ本。 | ||||||||||||
★言語学 | ||||||||||||
探検!ことばの世界(新版) | 書籍 | ひつじ書房 | 大津由紀雄 | 2004 | \1760 | |||||||
翻訳は言葉の仕事でありながら、言葉を専門的に勉強してきた人だけが就く職業ではない。特に実務翻訳では、外国語学部や文学部出身の翻訳者は、世の中で考えられているよりもずっと少ない。会社の部署内で担当業務として翻訳を担当していたとか、その分野の文献を原書で読むうちに自然と翻訳するようになったとか、たまたま趣味でその分野について詳しいとかいう人たちは数多く存在する。 専門知識や業務経験は大変重要だし価値があるが、一方でやはり言葉の仕事であるから言葉の研究も必要になってくる。しかし急に言語学や文法の本を読むのは難しい。 本書はそんな方におすすめしたい。できるだけ文法用語を使わず、マンガを多用して、あいまい文の仕組み、アクセント、連濁、代名詞、敬語、母音と子音などの話題が楽しく展開される。あまり身構えず、雑学本を読むくらいのつもりで読むと、言葉への興味が増すはずである。 (p.46「『にほん』+『かみ』=『にほんがみ』」のイラストにだけは、ちょーっと異議を唱えたい(^^)) |